知らない事はいい事でしょうか?

最近関わったお仕事で大変困ったお話がありました。(先のネットワーク案件とは別のものです)

お客様がシステムに一切興味がなく、システムの入ったPCを10年以上使用していますが、
未だ「OS」、「システムのアプリケーション」、「バックアップ」といったキーワードに
理解を示さない(興味がないので覚えない)お客様でした。

機器刷新を依頼されて導入支援をして3年、ある日
「システムをセットアップしたPCの調子が悪い。システムが壊れた。壊れるなんておかしい。すぐ見てくれ。」
と突然の連絡と対応依頼。

すぐに、、、と言っても、前準備もありますし、その様なお客様ですから、触り方が悪かっただけで壊れていない、という事も考えられます。
お電話で起動(スイッチ押すところ)から指導・誘導して順次確認をするも、「画面ついた」「なんか英語がでてる」「暗くなった」といった会話で
知りたいPCの状況を把握するのに連想ゲーム状態です。

色々見てもらいつつ、そのレポートを都度ヒアリングした結果、やはりハードウェアが壊れていますね、
早いうちに入れ替えのPCを作った方が良いですよ、との結論に至りました。

さて、そこからが大変です。
「毎日使ってるとはいえ、3年で壊れるのか?」から始まり、
「PC(メーカー製)のダメなところだけサッと取り替えたら動くんだろ?」と、お金の掛からない具合を気にしているのもありますが、
それ以前に机や棚を買った感覚でPCを語るお客様。
中身はOSが乗っかり、DBのソフトが乗っかり、独自作成したシステムアプリが乗ってます。
「我々が責任と面倒を見れるのはシステムアプリの部分ですし、ハードディスクはそれらのアプリケーションを保存している記憶装置ですので
ハードディスクが故障してしまうとOSの起動すらままなりません。今回はその初期症状なのです。」
「ならそのハードディスクってのを買ってきて入れ替えれば動くんだろ?やってくれよ」
「ハードディスクの交換はあくまで機器の修理の話です。
 新しいハードディスクにはOS、ソフトウェアのセットアップが必要ですし、システムの導入に至ってはその試験なども必要です。(お金かかるんですよ)」
「そこがわからん!!!!なんでダメなところ取り替えるだけで何十万も掛かるんだよ!!困ってるんだよ!!!」

・・・・担当からは、(正直、使ってるものを理解する気もない客なんて捨てとけよ・・・・)という声も聞こえてきます。
エクセルで伝票作ったり、簡易でもシステムを導入すれば、省力化や時間節約など使うほどに便利なITですが、
知らないことをヨシとしているユーザーさんは”時に足元を見られる”リスクも踏まえて一度見直してみるもの有りかと思います。
税務で損したり思わぬ違法行為などにならない様に、専門外な手続きは多くの会社様が税理士さんや弁護士、労務士などの専門家を身近に置いていると思います。

今や使い出すと離れられない便利なITツール。
IT専任の担当を作るのが難しい場合には、近くに「なんでも相談できる専門家」を作っておくのが良いと思います。